着工前に地下水審開催要請/市民団体、野原部落会など
千代田陸自配備計画で
宮古島への陸上自衛隊配備に反対する市民団体と個人、野原部落会(島尻信徳会長)は27日、千代田カントリークラブへの陸自駐屯地配備計画が提案されていることに伴い、工事着手前に地下水への影響などについて審査する地下水審議会の開催を求める下地敏彦市長宛の要請書を市秘書広報課に提出した。引き続き会見を開き、地下水への影響調査の必要性を訴えた。
要請は、てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会の楚南有香子、石嶺香織両共同代表、宮古島・命の水・自衛隊基地配備について考える会の岸本邦弘代表、宮古島あららがまの会、宮古島市民会議の猪澤也寸志事務局長、宮古平和運動連絡協議会の清水早子共同代表、平和を祈る宮古キリスト者の会の尾毛佳靖子、瑞慶山道弘両共同代表、元県議会議員の奥平一夫氏が連名で、野原部落会が単独で行った。
要請書では、千代田への自衛隊施設建設が水道水源の汚染につながる懸念があるとの考えを示した上で、千代田周辺の地下水流域界の調査を行うとともに、施設建設事業が地下水審議会で審議すべきものかどうかを審査するための審査会の早期開催を求めている。
要請当日、下地市長は島外出張中だったため、秘書広報課の楚南幸哉課長が要請書を受け取った。
会見には楚南、石嶺両共同代表、岸本代表、奥平氏、野原部落会役員の仲里成繁さんと仲里雅彦さんが参加。楚南代表は「そもそも市長が地下水保全を念頭に置いているのであれば、まず審議会に諮って問題ないとの結論になってから話を進めるべきこと」、石嶺代表は「市長は取材などに対し、千代田に関しては審議会の開催は必要ないと言っているが、市長の考えは専門家の判断ではない。汚染の可能性が1%もないと確認できなければ計画は受け入れられない」と訴えた。
岸本代表は「何を作るにしても地下水への危険がないか、きちんと調査しなければ取り返しが付かないことになる。計画が1、2年遅れても調査すべき」、奥平氏は「1%でも危惧があれば取りやめるべき。そもそも配備計画の詳細を知らない市長が陸自を誘致することがおかしい」との考えを示した。
仲里成繁さんは「審議会できちんと調査し審議をしてもらってから陸自配備計画も検討してもらいたい」、仲里雅彦さんは「陸自配備計画に関して市長が行使できる権限は地下水保全。その権限を使ってまだ明らかにされていない計画内容を明らかにしてもらいたい」と語った。