バイオエタノール 給食調理場で活用/市議会質疑
専用ボイラー導入に5000万円/「文学賞」創設費も予算化
開会中の宮古島市議会(棚原芳樹議長)3月定例会は3日、予算議案の質疑を行った。この中で、バイオエタノールを学校給食調理場で活用する方針が当局から示された。ボイラーの燃料として活用する。関連予算は5100万円。「文学賞」を創設する関連費の予算化も分かった。
バイオエタノールは、島の基幹作物であるサトウキビの絞りかすを使って製造する。資源循環型社会の形成を目指す宮古島市は、バイオエタノールを基材ガソリンに3%混合して造る自動車用燃料「E3」の普及に力を入れてきた。
しかし、基材ガソリンの供給元企業が石油販売事業から撤退したことで同ガソリンの供給がストップ。昨年4月からE3の製造がままならなくなり、事業は中止に追い込まれた。
バイオエタノールの先行きが見通せなくなったことを受け、市は昨年11月に検討委員会を設置し、あらゆる方向からバイオエタノールの活用策を探った。
この中で、平良と城辺の学校給食調理場のボイラーが老朽化していることに着目。更新に合わせて専用のボイラーに切り替えてバイオエタノールを活用する筋道を立てた。コスト面も考慮して調整を進めた。
質疑で企画政策部の友利克部長は「来年度から調理場にボイラーを設置し、バイオエタノールを活用していきたい」と答弁。予算計上した5100万円はボイラー設置工事に伴う請負費になることを説明した。
担当する市エコアイランド推進課によると、調理場で年間に使用する燃料(バイオエタノール)は180㌔㍑。燃料代は、現在使用している重油価格と同額で落ち着くという。
市教育委員会は城辺、上野、下地の調理場を将来的には統合させる方針。これを踏まえ、城辺に新設するボイラーは移動式のタイプを導入する計画だ。
質疑ではこのほか「文学賞」を創設する方向性が示された。初年度は関連予算として文化協会補助金に100万円を上乗せした。
下地敏彦市長が施政方針でうたった小中学校への空調設備の関連予算は17年度当初予算に盛り込まれていないことが分かった。
市教育委員会教育部の仲宗根均部長は、「県と調整している。市としては国の補助の決定を受けて、(17年度から)3カ年計画で取り組んでいく」と述べ、19年度までに順次設置していく考えを示した。