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行雲流水
2017年3月4日(土)9:01

【行雲流水】(シマヤマヒハツ)

 宮古島の何処にでもある灌木だがその名はほとんど知られていない。島の植物の名など興味がなければ覚えることもないし、覚えたところでなんの役にもたたない、と思われがちだがそうでもない

▼職場の女子職員が、近所にブドウの房を小さくしたような実のなる木があるがその木の名前がわからない。名前がわからないことには植物図鑑で探すのも大変だ、という。

▼もっともなことだが、「シマヤマヒハツ」のことだとピンと来た。地域によって呼び名は違うかもしれないが「ヤーマツスピ」と呼びなれた低木で、今その木に緑、黄、橙、赤、紫から黒といった一つの房でも色合いの違う小さな実が目にとまったのだろう

▼この植物は琉球列島から台湾、フィリピンにかけて分布するといわれる。実そのものは酸味と渋みが強くそのままだと食べる気にならないが泡盛につけて果実酒にすると一味違うし、盆栽として観賞用にも活かされているようだ

▼そのシマヤマヒハツに目を付けた人々がいる。農林水産省の食品産業クラスター展開事業の一環として平成20年度「農水産物機能性活用推進事業」が取り組まれ「株式会社トロピカルテクノセンター」と連携する宮古島の「コーラル・ベジタブル株式会社」がシマヤマヒハツの実で試作品を作った

▼事業報告書には「宮古島の樹ぶどう酢」と表題がつけられ事業の概要、製造工程や成分分析値などの他、試作品の写真、試食評価と試食結果に対する試作企業コメント等こと細かに記載されている。興味があれば「シマヤマヒハツ」と入力して「地域農水産物の機能性成分に着目した商品開発とその評価」をパソコンで見ることができる。

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