有効求人倍率1・68倍/ハローワーク宮古
7カ月連続で過去最高更新/人手不足が危機的状況に
宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、知念宏和所長)は3日、管内1月の雇用情勢を発表した。それによると有効求人倍率は過去最高を記録した昨年12月の1・61倍を0・07ポイント上回る1・68倍となり7カ月連続で最高値を更新した。新規求職件数は増加したにもかかわらず有効求職者数全体は減少となるなど、増える求人に求職者が足りない人手不足が続いていて、知念所長は「深刻で危機的な状況」との認識を示した。
1月の月間有効求人数は前年同月比306人(28・3%)増の1387人だったのに対し、有効求職者数は50人(5・6%)減の828人。求職者1人当たり何件の求人があるかを示す有効求人倍率は過去最高の1・68倍となり前年同月実績を0・45ポイントも上回った。県全体の1月の有効求人倍率は1・08倍で、1・68倍の宮古は県内で最も高い。全国の1月の有効求人倍率1・43倍だった。
新規求人数は590人で前年同月比102人(20・9%)増となり17カ月連続での増加。新規求職申込件数は88件(42・1%)増の297人と5カ月ぶりに増加した。就職件数は9件(9・5%)増の104件で、その内訳は県内就職が99件、県外は5件。ただし県外5件のうち2件は勤務地が宮古島となっている。
新規求職件数増加の要因として知念所長は、国、県、市などが4月から採用する非常勤(臨時)職員への応募が集中したためで、1、2月の一時的な増加になるとの考えを示す。
在職中の人が新規求職登録を行うケースも増えていて、1月は新規登録件数の約半分を在職者が占めた。人手不足に伴い人材を確保するため労働条件を引き上げる事業所が出てきていることから、現在の条件より良い求人があれば転職したいと考えている人が増えているものと見られる。
知念所長は「在職者がこれだけ求職登録をしても有効求人倍率が伸びないことは人手不足が深刻と言える。新規求人が一時的な増加を見せていながら有効求職者数が減少しているのは危機的な状況」との考えを示す。その上で「宮古では正規職員の求人は全体の3割程度。他県では人材確保のために契約社員を正規にする企業もある。今、勤めている人に辞められないためにも労働条件の改善に取り組んでほしい」と語った。