昨年台風で遊歩道破壊/下地島「通り池」付近
昨年襲来した台風の影響で、伊良部下地島の「通り池」近くにある木製の遊歩道の一部が壊され、まだ修繕のめどは立っていない。9日、訪れた観光客の中には、遊歩道の途中から引き返し「安全・安心で歩けるよう、早く修繕してほしい」と話す人もいた。
1995年に伊良部県立自然公園は指定され、県からの委託管理は市伊良部支所。同支所は昨年11月、県自然環境部自然保護課に「通り池遊歩道修繕(要望書)」を提出し、近く修繕工事見積書を提出する。
同保護課では「県内には他にも県立自然公園があり、工事は優先順位を決めて進めている」と説明している。
同支所の要望書では「度重なる台風の影響で遊歩道の途中から破壊されている。また、手すりに手をつきながら歩いた子供が木でけがをしたとの苦情もある。安全面を考慮し、早急な修繕が望まれる」としている。
その上で「また、以前の施工方法だと台風の波に耐えられないので、施工方法の変更も併せてお願いしたい」と改善を提案している。 二つの池から成る「通り池」は国指定の名勝及び天然記念物で、一昨年1月の伊良部大橋開通以降、観光スポットとして訪れる観光客は多い。
県が2002年、総事業費約6500万円を投じて遊歩道は整備した。自然保護に対する理解を深めてもらい、自然公園の利用推進を図るのが目的。
遊歩道は二つの池の間の岩盤上から延びる全長305㍍。特異な琉球石灰岩の形状や海岸性の植物が観察できるデッキや休憩所が設けられている。遊歩道の先には地元で「なべ底池」と呼ばれる池があるが、途中からの通行止めで見学はできない。