新博物館、着工に遅れ/文教社会委
財源確保が課題に
新市建設計画のリーディングプロジェクトに位置付けられている総合博物館の建設が大幅に遅れる見通しだ。計画に定めた2020年度の着手は困難で、開館の時期は流動的。大型公共事業への投資が要因で、財源確保に手を焼く当局の台所事情が背景にある。14日の市議会文教社会委員会(佐久本洋介委員長)で当局側が説明した。
当局は今の定例会に総合博物館建設委員会設置条例を提案している。この委員会では総合博物館の位置や敷地を選定。委員は15人以内とし、有識者と市の職員で構成するとしている。
計画の遅れは、この議案を審議する文教社会委員会の中で分かった。建設に充てる財源や開館時期を問いただした委員に対し、市教委の担当者が答えた。少なくとも20年度の着手は困難との考えを示した。
当局は当初、合併特例債を活用して建設する計画を描いたが、総合庁舎や保健センター、伊良部小中一貫校の建設に活用するため起債可能額との関係上難しいとしている。一括交付金の活用もめどが立たない。
委員の中からは、財源に関する見通しの甘さを指摘する声もあったが、建設委員会の設置条例案に関する反対の意見はなかった。
委員会ではこのほか、新潟県上越市板倉区や岐阜県白川町、台湾との児童生徒交流事業にかかる補助金額について質疑があり、不公平感のない補助額に引き上げるよう要望があった。