野原でヘリ騒音調査
市議会与党保守系議員「思ったより感じない」
市議会の与党保守系議員は16日午前、上野野原で航空自衛隊宮古島分屯基地から離発着する大型ヘリコプターのエンジン音などの現地調査を実施した。騒音被害を受けていると主張する地元住民や、同基地の堀豊司令も参加。実際に自衛隊ヘリの音を聞いた議員からは「思っていたより騒音は感じられなかった」との声が上がった。地元住民からは「いつもの飛行ルートと違う」と指摘があったが、堀司令は「風向きによって飛行ルートは違ってくる」と話した。
現地調査は、同部落会(島尻信徳会長)から提出された「航空自衛隊宮古島分屯基地から派生する基地被害等の改善を求める陳情」の内容を調査するために実施した。
同陳情は、14日の総務財政委員会(嵩原弘委員長)で賛成多数で採択され、27日の最終本会議で採決が行われる。
陳情の内容は①住宅に隣接する基地ヘリポートの移設②日曜、休日における基地内工事停止の騒音被害の改善③神行事における基地内御願所への出入り手続きの簡素化-で、市議会として沖縄防衛局に要請することなどを求めている。
現地調査には議員10人が参加。騒音被害を調査した後はマイクロバスで基地内に入り、ヘリポートや御願所などを見学、隊員から説明も受けたという。地元住民とマスコミの同行は断られた。
調査後、嵩原弘議員は「耳にうるさく感じる音は個人個人によって違いがあるので、なんとも言えない」と主観的な面があることを強調。「ただ、室内(野原公民館内)ではほとんど聞こえなかった。離発着の騒音が大きいというが、それが(時間的に)長く続くわけではない」と話した。
粟国恒広議員は「思ったより騒音は感じられなかった」と感想を述べた。
島尻会長は「調査の後は当然、地元住民との意見交換会が開かれるものと思っていた」と話し、ヘリの音を聞き、基地内を見学しただけで帰った議員らに不満をもらした。
その上で「地域住民の声を聞かずに、自分たちだけで判断するのはおかしい」と指摘。「騒音被害を受けているのは私たちで、自衛隊側だけの話を聞くのはいかがなものか」と語った。
粟国議員は本紙の取材に「当初から現地調査だけだった。調査を踏まえた上で、地域住民とは意見交換する予定だ」と述べた。