販売額は46億5700万円/16年度肉用牛競り
前年度比7億2000万円増/子牛平均は初の70万円超
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは20日までに、宮古地区(宮古、多良間)家畜市場の2016年度肉用牛販売実績をまとめた。販売金額は過去最高の46億5784万円。前年度の実績を7億2418万円上回った。子牛1頭平均価格は75万8052円(前年度比11万1377円高)と初の70万円超を達成。平均キロ単価も2906円と高かった。全国的な子牛不足が高値取引の要因で、新年度4月以降も高値販売が見込まれる市場動向だ。
本年度に上場された子牛は宮古が4600頭(前年度比53頭増)、多良間が1229頭(同95頭増)の計5829頭となり、両市場とも上場頭数が増えた。
このうち、競り落とされた子牛は5819頭(宮古4592頭、多良間1227頭)となった。
1頭平均価格は前年度比10万円以上の増額。市場別にみると、宮古が前年度比10万7925円高の万2075円、多良間が同比12万6314円高となる74万2995円だった。
性別の価格は去勢が80万7445円(前年度比11万9048円高)と初めて80万円台に。雌も68万4877円と高値を付けた。
平均キロ単価は宮古が前年度比324円高となる2877円、多良間は3026円(同比480円高)となり、市場史上初めて3000円の大台に乗った。
この結果、販売額は子牛のみで44億円に到達。年間を通して高値で取り引きされた子牛市場の動きを反映する実績となった。
成牛を含む本年度上場頭数は6459頭(前年度比138頭増)。市場別には宮古5139頭、多良間1320頭だった。取引成立頭数は計6441頭。
1頭平均価格は72万3156円と成牛を含めても70万円台を突破した。宮古は72万5506円、多良間は71万4020円。平均キロ単価は2582円と前年度より311円高かった。
JA宮古地区畜産振興センターは、高値の要因に子牛不足と生産農家の改良技術の向上を挙げる。一方で3月競りにおける子牛1頭平均価格が前月比で8万円下げたことを懸念。「どんな牛でも高く売れるというものではない」などと警鐘を鳴らし、生産農家に飼養管理の徹底を促した。
今後の見通しは、引き続き高値で推移するものとみている。ただ、枝肉の価格が下がり始めており、一部の購買者の間では買い控えが生じているという。今後の大きな価格上昇は見込めないと分析している。