当選は容認の明確な民意/陸自配備問題
市長が見解表明/市議会一般質問
下地敏彦市長は21日、市議会3月定例会一般質問で、宮古島への自衛隊配備について、配備容認を掲げる自身が市長選で当選したことは「配備を容認する明確な民意」との考えを上里樹氏への答弁で示した。一方、空自宮古島分屯基地から派生する基地被害の改善を求める陳情に対しては「防衛局に対し真摯(しんし)に向き合って対応するよう再度申し入れたい」と積極的な姿勢を見せた。新里聡氏への答弁。
上里氏は、下地市長が自衛隊配備容認を掲げ当選したことは市民が配備を認めると判断したと主張していることについて、「選挙期間中は自衛隊配備について積極的に語らなかったばかりかビラでも触れられていない」と指摘。配備容認派と反対派の得票率は拮抗(きっこう)していた上、下地市長の絶対得票率が37・1%だったとして「市民が配備を認める判断をしたとは到底言えない」との認識を示し、市長の見解をただした。
それに対し下地市長は自身の当選は「配備を容認する明確な民意の表れ」との考えを改めて表明。選挙期間中、配備について語らなかったとの指摘は否定した上で、投票時「自衛隊問題」を重視したとの回答が多かったとするマスコミの出口調査結果を挙げ、「市民はそれを認識した上で今回の選挙に臨んだと思う」と自衛隊問題が選挙の争点だったとの見解を示した。
新里氏は、空自分屯基地と隣接している野原地区の住民の声に耳を傾けるよう要望。千代田カントリークラブへの配備が予定されている陸自新基地建設の場合の協定書締結や、基地被害の改善を求める陳情について市長の見解を聞いた。
これに下地市長は、野原部落会が提出している空自分屯基地に関する陳情書の要望として▽基地ヘリポートの移設▽日曜日や休日には建設工事を止める▽御願場所への容易な出入りを認めること-を紹介した。
下地市長は「野原の部落としては切実な問題であろうと理解している」とする見解を示し、「従ってこの要望については、防衛局に対して真摯に向き合って対応するよう再度申し入れをしたい」と述べた。