マンゴー栽培 スマホで管理/城辺長北ファーム
沖縄セルラーなど3社と琉大/安定供給狙い実証試験
「IoT」を活用するマンゴー栽培の実証試験が城辺長間の長北ファームで始まっている。沖縄セルラーとKDDI、スカイディスク、琉大が共同で実施。日照不足をLEDで補い、二酸化炭素で生育を促進。さらにはハウス内の温度上昇などをスマートフォンで確認できるシステムの導入が柱だ。ハウス内の管理を徹底して宮古島産マンゴーの安定供給を図る。
IoTとは「モノのインターネット」のこと。パソコンやスマートフォンなどの機器に限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながることを指す。
今回の実証試験では、沖縄セルラーの取り組みとして、マンゴー栽培にとって重要な日照をLED照射によって補う。KDDIは実証試験で取得するデータをIoTサービスで活用するためのプラットフォームを構築。スカイディスクがハウス内の環境測定とデータ分析を担い、琉大が二酸化炭素の局所添加を担当してマンゴー栽培を促進する。
農家は、ハウスにいなくても温度や湿度、照度、二酸化炭素をスマートフォンで確認できる。異常温度を察知した際にはアラートが通知される仕組みだ。
日照を補うLED照射の可能性が広がれば、収穫時期の前倒しが期待できるため注目を集めそうだ。
3社と琉大は23日、システムの概要を報道機関に発表し、IoT活用のマンゴー栽培に自信を見せた。
実証ハウスを提供する長北ファームの菅原純一農園長は「(LEDを照射した部分は)花が咲き始めたら早い」と、実証試験の効果を実感している。「マンゴーは花が咲かないと始まらない」とし、仮にLEDの照射で花をコントロールできれば「マンゴーの安定供給につながる」と話した。
また「これによって収穫の時期を前倒しできたら台風によるロス、被害を軽減できる」と述べ、システムの実用化に期待を込めた。