難関の三級海技士に合格/宮総実卒の上地君ら3人
【那覇支社】沖縄水産高校専攻科(漁業科・機関科)の本年度修了者で宮古総合実業高校出身の3人がこのほど、難関とされる三級海技士試験に合格した。
海技士資格のうち、航海分野で上地道仁君(20、上野中卒)と伊志嶺拓海君(同、鏡原中卒)、機関(内燃)分野で大浦龍君(同、佐良浜中卒)が三級免許を取得した。県内の海運会社への就職も全員内定している。
3人は専攻科2年の修了前に4科目の筆記試験にパスし、3月上旬に沖縄総合事務局で実施した最終関門の口述試験を受験して合格を果たした。
水産高校専攻科以外の教育機関では、水産系の大学専攻学科や専門学校などで取得できる国家資格。沖水によると、2011年度の関東運輸局管内での合格率(1~6級全ての受験者)は、わずか4%の狭き門となっている。
沖縄水産高校専攻科は国土交通省認定の沖縄で唯一の船舶職員(航海士・機関士)養成校。水産高校や普通、専門高校を卒業後、大型船の船長や航海士、機関士を目指す生徒が、より専門的な海洋技術を学ぶ。2~2年半の水産教育課程の中で、約1年3カ月の沿岸・遠洋航海実習を行う。
上地君は「非常にうれしい。真っ先に両親に連絡したら喜んでくれた。これから社会人の一人として、船員たちを引っ張っていける船長になれるよう頑張りたい」、伊志嶺君は「船長になるのが夢なので、それに一歩近づけて素直にうれしい。勉強は1日のノルマ達成を心掛けた。会社を代表する船長になりたい」、大浦君は「最初は合格が信じられなくて驚いた。仲間と一緒に計画的に集中して勉強した。社会人として沖縄の産業に貢献できる人材になりたい」とそれぞれと話した。
専攻科担任の川満翔太教諭は「3人は高校時代を含めた5年間、よく頑張ったので褒めてやりたい。つらく厳しい乗船実習などにもよく耐えてきた。これからの沖縄や日本の水産業、海運業を担えるよう期待したい」とエールを送った。