「原野」を「畑地」で登記/長山北地区土地改良事業未工事問題
県、ミスも「事業に問題ない」
県が2001年度~08年度にかけて実施した伊良部地区の土地改良事業で一部対象地区の工事が実施されていないにもかかわらず、工事終了後の換地登記で本来は「原野」であるはずが「畑地」となっていた問題で29日、県農林水産部宮古農林水産振興センター農林水産整備課の和宇慶隆課長は「事業そのものは問題なかったが、換地登記の段階でミスがあった。本来は『原野』から『原野』に換地すべきだったが『畑地』として登記してしまった」と説明した。
工事段階ですでに「除外地」
この問題は、伊良部の長山北地区県営畑地帯総合整備事業(整備面積19・4㌶)のうち、県が工事を終了したと主張してきた1588平方㍍部分の土地が未工事となっていたことが今月17日に判明した。
同課はこれまでこの土地の持ち主から「改良工事の除外地で工事もされていないのに『原野』が『畑地』になっている」との指摘に対し、工事対象地であると主張してきた。
しかし、17日の現場確認で実際には工事が行われていなかったことから、同課が調査を進めた。
調査の結果、未工事が指摘されていた部分については、工事段階ですでに「除外地」となっており、実際に工事は行われておらず、同整備事業は計画通り、問題なく終了していたと説明した。
なぜ、今回の問題が発生したかについては、01年段階で土地所有者は土地改良工事に同意していたが、03年に除外するよう県に求め、県もそれを受け入れて「除外地」となり工事は行わなかった。
しかし、03年の県の同事業に係る一般平面図では、この土地の一部換地された部分が「除外地」ではなく「対象地」のままで残り、所有者の除外依頼が反映されないままとなっていた。
同事業終了後に換地担当者がその未修整の平面図を元に換地登記を行った結果、「原野」と登記すべきところを「畑地」として登記してしまったという。
和宇慶課長は「これまで県としてもこの場所は工事が行われて『畑地』になったと思っていたが、調べた結果、そうではなかった。03年の平面図が当時の段階で修正されていればこのような事態にはならなかったと思う」と話した。