経済効果波及の拠点に/全天候型施設オープン
JTAドーム宮古島落成式典
宮古島市スポーツ観光交流拠点施設(JTAドーム宮古島)の落成式典が1日、平良下里(宮古空港東側)の同施設で行われた。県内外から約200人が出席。天候に関係なくスポーツや各種イベントを開催し、経済効果を波及させる初の施設として期待を込めた。踊りや吹奏楽演奏、体験工芸、特産品販売などのオープニングイベントも開催。一般市民にも開放され、家族連れや観光客などでにぎわった。
小雨の中、午前10時から行われた落成式典では、施設の繁栄を祈願する獅子舞と太鼓演舞を披露。続いて下地敏彦市長や国、県の関係者、地元自治会・中学校の代表ら10人がテープカットを行った。
下地市長は、同施設が天候に左右されず、スポーツや芸能など各種イベントの開催が可能になることを強調。さらには、地下水保全に配慮したシステムを導入し環境に優しい施設であることや、災害時の一時避難場所としての役割も担っていることを紹介した。
その上で「今後は、さまざまなイベントの誘致活動を積極的に行い、観光客の誘致に努めるとともに、年間を通して宮古の経済全体に大きな波及効果を生み出す拠点施設を目指して取り組んでいく」と式辞を述べた。
長濱政治副市長は、一括交付金を活用し、市の先導的な役割を果たすプロジェクトとして事業を展開してきたことを説明した。
来賓として出席した北崎秀一内閣府政策統括官(代読・渡部晶内閣府官房審議官)、翁長雄志県知事(代読・儀間秀樹県企画部企画調整統括監)は「宮古島市のさらなる発展に向け、有意義な施設として活用されることを期待する」などと式辞を述べた。
施設のネーミングライツを獲得した丸川潔日本トランスオーシャン航空(JTA)社長は、命名の由来として「皆さまに覚えていただき、愛着を持ってもらえるように分かりやすいネーミングにした」と話した。
施設の建設工事に携わった各社に下地市長からそれぞれ感謝状が贈られた。
この後、市民に開放されたドーム内では、太鼓演舞や吹奏楽、フラダンスなどが披露されたほか、市熱帯植物園内にある体験工芸村の各種体験ができるコーナーや地元食材を使用した商品の販売などが行われた。
JTAドーム宮古島は、2012年度に沖縄振興特別推進市町村交付金事業(一括交付金)として事業計画を提出。以降、5年間にわたり総事業費約43億4000万円を掛けて完成にこぎ着けた。
ドーム内のアリーナ面積は3600平方㍍で、市総合体育館のほぼ2倍。収容人員は最大で約5000人。駐車台数は500台。施設の利用には料金が発生する。
同施設近くには、サンエーが大規模集客施設のオープンを予定しており、新たな拠点エリアの形成に期待が掛かる。
建設をめぐっては、市議会で膨大な事業費や施設管理費で赤字が見込まれていることに一部議員から、「一点集中型の予算編成で他の事業への影響」「市の将来を見据えた身の丈に合った財政運営を」などの懸念の声が上がったが、市は「負担軽減を図るためにも、各種イベントや企業などの会議、研修旅行などの誘致に全力で取り組む」として理解を求めた経緯がある。
ドームでは▽フットサル大会▽全日本トライアスロン宮古島大会の閉会・表彰式▽150~170人規模の島外企業による社員研修▽遊具を集めての子ども向けイベント▽第1回折り紙ヒコーキアジア大会-などが予定されている。