質、量ともに大豊作/16-17年産キビ
半分が基準糖度超え/宮糖城辺、多良間搬入終了
2016-17年期の製糖操業で、宮古製糖(安村勇社長)城辺工場と多良間工場は10日までに、原料(サトウキビ)の搬入を終了した。城辺工場は15万2289㌧、多良間工場は2万5398㌧を搬入した。平均糖度は城辺14・31度、多良間14・43度。それぞれ搬入原料の8割が基準糖度(13・1~14・3度)に達する高品質となった。1㌧当たりの農家手取額は2万2000円台。今期作は質、量ともに1989-90年期に次ぐ大豊作となった。
城辺工場は10日午後に搬入を終えた。先月27日に上方修正をかけた搬入見込み量をさらに2000㌧以上上回る実績となった。
原料の79%がハーベスターで刈り取ったもの。機械刈りの急伸を示した。搬入期間は115日だった。
糖度区分別構成比は、基準糖度帯以上の原料が全体の50・39%に達する最高の実績となった。基準糖度帯の原料は34・05%で、原料の84%が基準糖度をクリアしている。基準以下の糖度はわずか15・56%。
1㌧当たりの農家平均手取額は2万2843円の高価格に。前期を1050円も上回るなど、高品質の原料を裏付けた。
一方の多良間工場は9日に原料搬入を終了した。糖度区分別構成比は、城辺と同様に基準糖度帯以上の原料が54・76%と50%を超えた。基準糖度帯内は31・66%で合わせて86・42%の原料が基準糖度に達する高品質取引となった。
農家平均手取額は2万2990円となり、前期比2039円の大幅増。
城辺工場の農務課は「大豊作と言っていい。搬入原料の50%が基準糖度以上の品質となり、84%以上が基準糖度に達する実績は豊作の表れ」と話した。豊作の要因は気象条件。「適度な雨量で刈り取りも順調に進めることができた」と今期の製糖期を振り返った。
課題は病害虫だ。工場ではカンシャワタアブラムシが一定程度品質の低下を招いたと分析。「虫がついているところと、ついていないところでは品質に違いがある」とし、来期に向けて対策の重要性を指摘した。
宮古地区では宮糖伊良部工場と沖糖宮古工場で原料の搬入が続いている。両工場を含む地区全体の原料搬入(生産)量は41万8000㌧に達する勢いだ。