「美しい村」走って満喫/たらま島一周マラソン
悪いなりにも「結果は満足」
Aコース男子優勝の澤健三郎さん
大会初の3連覇を達成。ゴール後は「結果には満足している」と安堵した。序盤から圧巻の走りで多良間島を疾走、ゴールでは村民や関係者から大きな拍手を浴びた。
「例年かんかん照りなのにきょうは雨。何か静寂な雰囲気の中のレースだった」と振り返る。練習ペースとして1㌔3分50秒を刻む予定だったが、疲労の影響で思うようにはいかなかった。
12月に西オーストラリアアイアンマンレースに出場するため、今は練習で追い込んでいる状況だという。その疲れがあって「きょうは体が重かった」と苦笑い。「本来なら多良間の風の中でもガンガンいけるけど、きょうは風に負けてしまう走りだった」と話した。
それでも前回の記録を55秒更新してゴールしてみせた。悪い状態なりにも結果がついてきた要因について「この大会が良い。知り合いも多くて、沿道の応援では名前も呼んでくれる。人の温かさを感じる島で、ローカル色あふれる大会。島の皆さんに感謝したい」などと話した。
3連覇「島の人に感謝」
Aコース女子優勝の大塚直子さん
前回の記録にはおよばなかったものの、圧巻の走りで大会3連覇を達成した。「優勝はうれしいけど、2時間を切れなかったことは残念」と悔しさのにじむ表情で話した。
練習不足の不安を抱えながらの大会。ゴール後は「やはり練習はうそをつきません」と話し、練習量が顕著に表れるマラソン競技を再確認した。
それでも「15㌔すぎから一人になったけど我慢の走りができたと思う。今の状態では納得できた。今後につながるレースだった」と収穫も強調。背中を後押しした村民の応援にも触れ「私の名前を呼んでくれるのが何よりうれしい。村挙げてのおもてなしをしてくれる温かい人柄に感謝しています」と話した。
12月の那覇マラソンに出場した後、いよいよメーンレースの全日本トライアスロン宮古島大会に向けて追い込みに入る。
「私はトライアスリート。来年の大会では宮古勢1位だけではなくて年代別の優勝を目標にしている。これからは目標を全国に広げて頑張りたい」と力強く話した。
鉄人、また一つ勲章
Aコース最年長の伊佐信吉さん
最長Aコース24・51㌔に出場して完走した最年長出場者の伊佐信吉さん(71)は「何度もやめようと思ったけど完走したらまだまだ続けたいと欲が出ているよ」と笑う。2週間前には宮古島エコマラソンに出場したばかりの鉄人。「体が続く限りは止めないよ」と余裕たっぷりに話した。
最後まで力強い足取りで走り、2時間台でゴールした。ゴール後もまるで疲れた様子を見せずに笑い、仲間と完走をたたえ合った。
「走ることが大好きなものでね。80代でも続けたい。もちろん体と対話しながらになるけど、気持ちはまだやれる」と話した。