伊良部小中一貫校「計画通り進める」
見直し請願書に回答/教育長「地域の理解得ている」
伊良部地区にある四つの小、中学校を統合し2019年4月の開校を目指して作業が進められている小中一貫校「結の橋学園」について、その計画の見直しなどを求める市民からの請願書(公開質問書)に対する回答が26日、市役所城辺庁舎で行われた。宮國博教育長は改めて計画を見直すことなく進めていくとの見解を示した。
この請願書は、医師の岸本邦弘氏ら市民から今月5日、宮國教育長に提出された。この日は宮國教育長から直接、岸本氏に回答書が手渡された。
請願書では、同計画についての疑問点や不安要素などについて指摘した上で、住民説明会を開催し、参加者の意思確認を行った上で、教職員、保護者、児童生徒を対象にした統合の是非を問うアンケートの実施を求めていた。
これに対して宮國教育長は「伊良部地区の学校規模適正化についての地域説明会は十分に実施され、理解も得ていると考えており、統廃合計画の見直しを行うことは考えていない」と述べた。
回答を受けて岸本氏は、統合した一貫校が佐良浜地区に設置された際の不安要素として、伊良部大橋の開通で伊良部地区の住民が宮古島にいつでも渡れる状況になっていることから、新設校には通わずに、結果的に島の学校から子供たちが大幅に減る可能性についても懸念を示した。その上で「現段階でもまだ保護者からは不安の声が届いている。建設予定の一貫校が教育長の主張のように素晴らしい学校にするためにもアンケートなどで丁寧に説明することが重要」と訴えた。
これに対して宮國教育長は「地元の声を聞いて計画はすでに進んでおり、不安に思っている保護者がいるのであれば、岸本先生の方でぜひ集めてほしい。そこに私たちが説明に行きたい」との見解を示した。
そのほか、請願書の質問で4校廃校から一貫校になることで、減少する教職員の内訳についての回答では、減少数を24人と予想し、その内訳は校長3人、教頭2人、小学校教諭6人、中学校教諭5人、養護教諭2人、事務職員2人、図書館司書3人、用務員1人となっている。