「ヒヤヤッカヤッカ」島に響く/神酒を回し飲み
豊年に感謝「スツウプナカ」/多良間島
【多良間】多良間村の伝統行事「スツウプナカ」は、5日深夜、四つの祭場で暁願いが行われ、男性たちの「ヒヤヤッカヤッカヤッカ」のはやしが、夜の島に響いた。参加者らは角皿(つのざら)で神酒を回し飲み、多良間世を盛大に祝い、島は祭り一色に染まった。
祭り本番となる6日は、正午すぎからナガシガーを皮切りに、ツカサら招待客が、それぞれの祭場を回った。多良間の八月踊りと並ぶ島最大の行事の一つで、1983年に村の無形民俗文化財に指定された。
5日午後9時分すぎ、ブシャ座で作られた神酒と、暁願いに必要な供え物が老座に運ばれ準備が進んだ。パイジュニの中老たちが洞窟近くのフシャドゥガー(井戸)近くに降り、神酒などを供えた。
その後、それぞれの祭場に移動し、神歌を唱和した。同日深夜、各祭場では青年たちが、神酒が入った角皿を盆に載せ、ゆっくりとゆらしながら「ヒヤ、ヤッカヤッカヤッカヤッカ」とはやしながら神酒を回し飲んだ。
祭場はパイジュニ、ナガシガァー、フダヤー、アレーキの4カ所で、それぞれに役割の座があり、60代以上の老人座、50代の中老座を中心とした祭祀運営を司る幹人座、供え物など料理をするクバン座、祭祀用の魚類を獲るイム(海)座で構成される。
この祭祀は多良間島、水納島の貴重な文化遺産として受け継がれているが、その起源は不明という。