行雲流水
2017年5月16日(火)9:01
【行雲流水】(母は称えられる)
『郷愁』。「海よ、僕らの使う文字では、お前の中に母がいる。そして母よ、フランス人の言葉では、あなたの中に海がある」(三好達治)。※フランス語で母は「mere」、海は「mer」。海は生命のふるさと、深くて広い
▼今年の「母の日」は5月14日(日)であった。「日頃の苦労をいたわり、母へ感謝を表す日」である。「母は船の一族だろうか。こころもち傾いているのは、どんな荷物を、積み過ぎているせいか」『漢字喜遊曲』(吉野弘)
▼『アンマー~母の唄~』(前川真悟)は歌う。「今つらくても、また立ち上がるの/あなたの背中をみて育ったから。今少し他人に優しくなれたのは、あなたの愛に満たされていたから」
▼「母」はいろいろな詩歌に歌われるが次の歌(題名、作者不詳)もぜひ登場させたい
▼1番。「何時もいつも口ずさむ歌/それはお母さんに教わった歌/どんな時でも私が歌えば/誰とでも心の触れ合う愛の歌」。子どもは、生きる喜びや人を愛することを、母から愛されることで学ぶ。2番、「何時もいつも胸に咲く花/それはお母さんに頂いた花/夏も真冬も心に開いて/誰とでも楽しく分け合う愛の花」。母からもらった心の花は大きく開いて世の中で薫りを広げていく。3番、「何時もいつも宵にでる星/それはお母さんを喜ばす星/青い優しい光をたたえて/慰めの想いに輝く愛の星」。人生には喜びもあるが、悲しみやさびしさもある
▼本紙に掲載された子どもたちの描いた似顔絵や手紙がほほえましい。幸せの根源、大好きなお母さんたちよ、称えられてあれ。