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行雲流水
2017年5月18日(木)9:01

【行雲流水】(気象との共生)

 梅雨入りだ。主婦にとっては「ヤナ ワーツ●(●=キに○)」(いやな天気)でも、農家にとっては「ゾー ワーツ●」(よい天気)かもしれない。梅雨の受け止め方は人それぞれだ。「五月雨や大河を前に家二軒」(蕪村)

▼一方では「絶景や眼下みなとの五月晴れ」(吉井静代)ともいう。五月晴れとは梅雨入り前、梅雨の中休み、梅雨明けのいずれの天気のことだろうか。「五月」の季節感は、旧暦世代と新暦世代とでは違うし、地域によっても違う

▼梅雨前線は、高緯度の寒気団と低緯度の暖気団がぶつかる境界線。新暦5月中旬から約1カ月間は沖縄付近にあり、北上して7月中旬ごろ東北地方で消える。消滅時期が遅れると「冷夏」といわれ、東北地方の稲作に冷害がでる

▼気象は本来自然現象だが、近年は人為的な現象(CO2増加など)が加わって、異変が起こっているという。たとえば最近の台風は強い勢力へと発達する傾向にあるとのこと。一昨年だったか、フィリピンのビサヤ地区は記録破りの台風に襲われている

▼梅雨が明けると台風シーズンがやって来る。宮古の先達は台風に強いサトウキビの品種改良・普及に努めた。われわれの世代も、花卉(かき)園芸農作物の台風対策を考えたいものだ

▼台風に強いビニールハウスの研究開発も課題の一つだ。安くて最大瞬間風速90㍍に耐えるビニールハウスの研究開発だ。それには、市・県・国とJA・大学との連携が必要であろう。計画し、予算化し、実証試験にこぎつける智恵を出し合えば、追求は可能だと思われるのだが。

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