紫イモ 出荷量139㌧/生産組合16年度実績
販売高は1780万円/高需要受け右肩上がり
宮古島産紫イモの生産量が伸びている。宮古島市のまとめによると、いも生産販売組合の2016年度出荷量は前期比27㌧増の139㌧、販売額は1780万円(同比19%増)の実績を挙げた。ただ、ペーストを製造する島内企業への生イモ供給量は不足気味だという。紫イモは国内外で引き合いが強く、将来性の高い品目の一つ。一層の生産振興と安定した販売ルートの確立が求められている。
組合に加入している生産農家は31戸。地区別には平良11戸▽城辺8戸▽下地2戸▽上野3戸▽伊良部7戸-。16年度は毎月平均11㌧を出荷し、前年度より1㌧以上の伸びを示した。
通常サイズの出荷量は133㌧、小さめのSサイズは5・4㌧だった。
島内の買い付け企業に搬入された紫イモは、下地のコーラル・ベジタブル社で加工。ペースト状にして国内外に出荷されている。
紫イモペーストは菓子類での利用が多く、売れ行きや消費者の評価はすこぶる良い。同社は香港への出荷実績もあり、さらなる販路拡大が期待されている。
高まる需要の一方で、島内企業への供給量は不足している。一部生産者によると、実際の紫イモの生産量は市のまとめより20~30㌧は多いが、個別のルートで島外に販売する農家もいることから、島内企業が必要とする原料を十分に確保できない現状があるという。
市農政課は「紫イモの生産振興に向けて実際の生産面積や生産量の把握に努めたい」とし、組合と連携して生産実績に応じた販売戦略を構築する考えだ。
16年度の実績について上地雅己組合長は「生産量は年々増えている。さらに生産量を増やしたい。紫イモは注目されており、可能性は高い」などと話し、産業の確立とブランド化に向けて意欲を示した。