相談件数は220件/県消費生活センター16年度まとめ
ネット通販被害増える/最多は不当・架空請求
県消費生活センター宮古分室(川満勝也分室長)は18日、2016年度消費生活相談件数を発表した。総件数は前年度比7・9%減の220件、最多はアダルトサイトなどの閲覧における不当・架空請求などを含む「放送・コンテンツ」分野の43件だった。ネット通販を利用して健康食品を購入し、後に多額の請求を受けるケースも目立った。同センターでは「ネット上で不審な請求を受けたら、払う前に相談してほしい」と注意を呼び掛けている。
同センターのまとめによると、不当・架空請求を含む「放送・コンテンツ」分野の相談件数は全体の約20%を占めた。身に覚えのない請求やワンクリック請求に関する相談があった。
フリーローンやサラ金を指す融資サービスに関する相談も26件と多く、全体の12%を占めている。
光回線の乗り換えサービスに関する相談は15件で前年度より3件多く、ネット通販が絡む事案は計10件と増加傾向にある。
ネット通販は、健康食品等を表示内容に従って安価で購入したつもりが、「定期購入」扱いとなり、多額の請求を受けるというケースがあった。表示画面の下部に小さく示された「定期購入」の表記に気付かずに購入してしまうという。
同センターの仲里タカ子専門相談員は「ネット通販はクーリングオフがないため注意が必要」と指摘。返品の事例はあるが交渉は難航するといい、「購入の際は注文の内容を紙に落とし込んでおくこと。定期購入など、小さな文字で書かれている条件を見逃さないことも大切」と話した。
同センターへの16年度の全体相談件数は前年度より19件減少しているが、川満分室長は「この数字はあくまで相談件数であり、問題が減ったわけではないと考えている」と話した。その上で、消費生活における困りごとに関しては一人で悩まず、関係機関に相談するよう呼び掛けた。
消費生活センターは、消費生活に関する知識の普及や啓発業務を行う機関。県民の日常生活で発生する消費生活全般についての相談や苦情、照会、要望等を受け迅速に処理している。
消費生活に関する相談は同センター宮古分室(電話72・0199)、または局番なしの「188」(消費者ホットライン)まで。