告示まで1カ月/多良間村長選
現職、前職の一騎打ちへ
【多良間】任期満了に伴う多良間村長選の告示(6月20日、同25日投票)まで1カ月と迫った。これまでに、現職の伊良皆光夫氏(61)と前職の下地昌明氏(65)が立候補の意思を表明しており、一騎打ちの公算が大きい。水面下での動きは活発化している。
伊良皆氏、下地氏ともに出馬表明を済ませて支持基盤固めに着手。伊良皆氏は先月27日に後援会の事務所開きを終えた。下地氏は21日に事務所を開く。
2期目に挑む伊良皆氏は先月23日の出馬表明で基本政策を発表。産業振興では国営事業による水利用農業の推進を強調、畜産分野では繁殖牛生産の規模拡大を目指す。パヤオの設置等水産業振興もうたった。
観光関連では受け入れ体制の強化を基軸に各種施策を展開する。教育環境の整備も重要事項に挙げた。
そのほか村政発展のための行財政改革を推進。石垣航空路の早期再開や光ブロードバンド事業の導入、移住・定住を促進する住環境の充実などを掲げた。
2期目に向けて伊良皆氏は「人口減少という難局を乗り越え、すべての人が心豊かに住み続けられる『ゆかり村』を築きたい」と決意を述べている。
一方の下地氏は先月27日に出馬を表明。過去2期8年にわたって村政を担った実績を踏まえ、八つの基本政策を発表した。
農業振興ではサトウキビ産業の拡充促進を図る。カボチャの振興ほか肉用牛産業の充実も盛り込んだ。
次代を担う子どもたちの教育環境の整備に重点を置いている。福祉の充実と併せて、きめ細かな住民サービスの展開を描く。
交通および通信基盤の整備や行財政改革の推進、特産品の生産加工並びに直売所の建設も進める。
下地氏は、「有識者や村議会、村職員を交え、大胆にして細心に課題の解決を図り、多良間村の建設に取り組んでいきたい」と返り咲きに意欲を見せる。
告示が迫り、水面下の攻防は活発化。今月末には村議選も施行されるとあって島内の選挙ムードは日ごとに高まっている。