宮古家保が農水大臣賞
クルーズ船への防疫活動評価
【那覇支社】県農林水産部(島尻勝広部長)は23日、農林水産省主催の第58回全国家畜保健衛生業績発表会で、宮古家畜保健衛生所(仲村敏所長)の「宮古地域一丸となった家畜防疫衛生対策向上への取組」が農林水産大臣賞を受賞したと発表した。県内からの受賞は19年ぶりで、海外クルーズ船を通じて家畜の伝染病が域内に侵入するのを防ぐ活動が高く評価された。
受賞を受け、仲村所長は「様々な機関の協力があり賞をいただけて地域も喜んでいる。クルーズ船への対応で地域と連携して取り組めたので、畜産の振興も今の体制でやっていければ」と語った。
全国発表会で報告を行った筧麻友技師も「宮古に赴任して1年目から行ってきたのが防疫衛生だった。受賞できうれしく思っている」と話した。
宮古家畜保健衛生所は、口蹄疫が頻発する中国などからのクルーズ船の入域が急激に増加していることに着目。クルーズ船協議会に参加して地域で家畜伝染病に対する意識を共有するよう努めた。観光客の靴底を消毒するマットを港に設置するなど病原菌を水際で食い止める方策を講じたほか、集落単位で研究会を開くなど農家の意識向上も行った。
さらに、宮古島市を通じて平良港を検疫強化港に指定するよう県や国に働き掛ける(昨年11月に指定)など、地域全体として防疫体制の強化に取り組んだ。
全国家畜保健衛生業績発表会は、各地の家畜保健衛生所の活動を報告する目的で毎年開催されている。今年は4月18・19日に東京都で開催され、48議題が発表された。このうち宮古家畜保健衛生所を含む2施設が、特に優秀な取り組みを行ったとして農林水産大臣賞を受賞した。