認知症を理解し共感を/ん診療所
適切対応で研修会
「認知症の理解と予防」と題した研修会(主催・県認知症疾患医療センターうむやすみゃあす・ん診療所)がこのほど、県宮古合同庁舎で行われた。同診療所の職員が、認知症の行動や対処方法などをアドバイス。認知症をよく理解し、その人の気持ちに共感すれば、適切な対応ができると訴えた。
動画を使い解説した渡真利邦子さん(精神保健福祉士)は「認知症の人は外を歩き回ったり、急に怒ったり泣いたりするなど、周囲の人にとっては思いがけない行動を取ることがある」と指摘。その上で「認知症の人の行動には理由がある」と強調し「認知症の病気を知り、その人の立場に立って考えることが大切」だと話した。
「本人の言ったことをさえぎり否定すると、相手は『責められた』と思い気持ちが不安になる。事実ではないことを責められたという感情は残る」と渡真利さん。接し方や支援のポイントとして①本人の気持ちに共感的に対応して落ち着いてもらう②関心をさりげなく別のところに向ける③認知症をその人の個性として捉える-ことを助言した。家族には「認知症かな」という気づきや視点を持つことと、適切な機関に連絡、相談することを勧めた。
中川浩さん(作業療法士)は、認知症予防として魚を中心とした食事と適度な飲酒や運動の習慣を促した。また、栄養分はサプリメントで摂取するのではなく、食品からじかに取ることが大事だと強調。オリーブ油やナッツ類、野菜、果物をふんだんに使う「地中海風料理」も予防効果があることを紹介した。
竹井太センター長は、宮古島市における65歳以上の認知症の人は約1割に上ると指摘。「今後、社会は認知症の人が多くなる。生活習慣病に近づかないような生活スタイルが未来のための認知症予防となる」と話した。