親泊　繁さん

　池間島民の足だった客船黄金丸の、船長をする前はカツオ漁一筋。
　「昔はよく大漁旗を掲げて港に戻った。島民が大勢でいつも迎えてくれた」と当時を振り返る。

　カツオ漁師現役の時に、黄金丸が船員不足で運航が危うくなったため、自分から臨時船員として働くことを買って出た。仕事に対する姿勢が評価され、40歳で船長に就任。

　75歳で黄金丸の船長を引退した。島民が盛大に引退セレモニーを開いてくれた。「今でも鮮明に覚えている」と当時の感激を思いおこした。

　今は朝から日が暮れるまで畑仕事に精を出す。ごつごつした手が働き者ぶりを物語る。

　仕事が終わり息子や友人と酒を飲むのが楽しみ。「80歳を超えても飲むペースと量は変わらない」と自慢げに話す。

　「普段は無口だけど、酒が入ると冗舌になる」と奥さんの和子さんは笑顔で話す。

　子ども２人、孫４人、ひ孫３人。
1929（昭和4）年8月12日生まれ