イベントでにぎわい再び/旧伊良部中学校
新たな学校設立目指す/パニパニエンタテインメント
「廃校で あそぼう、まなぼう!」をテーマに、閉校となった旧伊良部中学校で昨年10月から毎月、地域を盛り上げるイベントが開催されている。主催するパニパニエンタテインメント(理事長・久貝博義久貝電設土木専務)は吉本興業と連携し設立された団体で、イベントによる地域活性化を目指すとともに、将来的にはクリエーターを養成する学校法人の設立を目指している。
パニパニエンタテインメントは、伊良部島内の廃校を活用したイベント「いらぶパニパニフェスティバル」を開催することで、地域コミュニティーの活性化や伊良部島の魅力発信を目的に2020年9月に設立された。吉本興業との連携は、同社主催の「沖縄国際映画祭」の宮古島応援団長を久貝理事長が務めていたことが縁で実現した。
会のメンバーは20代から40代の若手を中心とした8人で、その中には吉本興業の大崎洋会長も名を連ねている。
第1回イベント開催前の昨年9月25日、「第0回」と銘打ち、旧伊良部中学校で「草刈り・掃除大作戦」を実施。趣旨に賛同した地域住民らが多数、参加し、伸び放題となっていた草刈り作業などに取り組んだ。
イベント第1回は10月9、10の2日間、「伊良部のおいしい大集合」をテーマにキッチンカーの出店と食をテーマとしたワークショップを開催。食を目当てに訪れた来場者たちは各キッチンカーが提供する自慢の味を楽しんだ。
第2回は11月13日に「Let,sスポーツ」として、速く走るこつを学ぶ教室やサッカー対決、ダンスレッスンなど、さまざまなスポーツワークショップが行われた。「足が速くなるコツを学ぼう」教室には小学生11人が参加。北京オリンピック陸上男子400㍍リレー銀メダリストの朝原宣治さんが「コツ」を紹介する映像を見て、速く走るためのポイントを学んだ。
第3回は「ロマンチックナイトin IRABU」と題し映画の上映会と音楽ライブを実施。映画「演じる女」と「ラ・ラ・ランド」の上映、jimamaによるライブなどが行われた。
イベントには吉本興業所属のお笑い芸人らも参加し、盛り上げに一役買っている。
パニパニエンタテインメントは吉本興業と共に、エンタテインメントに特化したクリエーターを養成する学校法人の設立を構想。市に対し昨年10月25日、旧伊良部小学校と同中学校の用地の賃借と施設の無償譲渡を要請した。構想によると「島の人々、自然と共生し、持続可能な環境を維持しながら、次世代において島の発展の起点となる産業と人材を育てるための場所をつくる」とコンセプトを掲げている。
今後は事業費に充てる資金集めのためクラウドファンディングの実施も計画しているという。