行雲流水
2017年6月24日(土)9:01
【行雲流水】(ミミズ)
梅雨の時期を終え、夏至を迎えてこれから本格的な夏が始まる。梅雨時の雨上がりには庭の其処ここに土団子ができていたが夏になるとそれはほとんど見られなくなる。土団子は土の中で活発に動くミミズの糞だ。大雨の降った後には土の中から這い出たミミズに出会うこともたびたびある
▼ミミズの体表には目、口、触角といった人の目につく器官がなく鱗すらない下等な生き物のように思われているが、地中で生きるために二次的に進化した体形だといわれている。呼吸器官もなく皮膚呼吸だけで生きているため大雨で地中が水浸しになってしまうと酸素を取り込むために地表に出てくるようだ
▼ミミズが土を食べ土中に含まれる微生物や有機物を消化吸収して排泄したのが土団子だ。ミミズの体内を通過した土は植物の生育に大きく作用する。そのために農業ではミミズは益虫とされコンポスト(たい肥)造りに利用される
▼その他にも漢方薬として気管支喘息の発作や発熱に用いられ特定のミミズには血栓を溶かす酵素を持つものとしてその粉末を入れた健康食品も販売されているとのことだ(ウィキペディア参照)。そのようなことは知る由もない少年の頃、ミミズを餌にウナギを釣りに行った
▼スサカダーがまだ水田だったころ、汚れのない白砂が延々と続くニスヌイムの浜辺の奥に沼とも言えない水たまりがあってそこにウナギがいた。二人の少年が小一時間の間に大小10匹余も釣り上げた
▼ミミズはやはり釣り餌として最高の働きをするものだ。同じミミズの仲間で砂の中のミミズ(ゴカイ)では海の魚釣りに使っていたが、今では誰もミミズを釣り餌に使わない。宮古島はそういう自然環境になってしまった。