行雲流水
2017年7月4日(火)9:01
【行雲流水】(歴教協)
歴史教育者協議会(略称・歴教協)は、すべての子どもが真理・真実に即してきちんと学び、確かな判断力を持った主権者に育つことを目指す。あわせて、地域住民と歴史を掘り起こし、深く歴史と現代を結ぶ活動を行うことである
▼宮古支部は1965年に結成され、最初の取り組みとして、高橋磌一副委員長を招いて講演会を開催し、多くの市民に感銘を与えた。翌年には機関誌『密牙古』第一号が、砂川明芳氏の「ガリ刷り」で発行された。1972年那覇で開催された全国大会のフィールドワークで300人が宮古を訪れ、交流会が持たれた
▼2006年、『宮古の歴史を歩く』が発行され、市販された。各地区の史跡巡りや、宮古の歴史や文化、産業や自然等について、全111項目にわたって記載されている。「ドイツ皇帝博愛記念碑」や「久松五勇士顕彰碑」が戦意高揚に利用された歴史を明らかにするなど、会員の研究成果も織り込まれている
▼宮古教科書検定訴訟を支援する会(代表委員・与那覇寛長、伊志嶺亮、仲元銀太郎、当間清利、事務局長下地康夫)の活動で、歴教協の多くが「リレー論壇」で訴訟の意義を論じ、訴えた。家永三郎教授の提起したこの裁判は年間行われ、最高裁で勝訴が確定した
▼上野野原に元補充兵・高澤義人の歌碑があり、「補充兵われも飢えつつ、餓死兵の骸焼きし宮古よ、八月は地獄」が刻まれている。この歌碑は歴教協と多くの市民によって建立された
▼彼らが求めた平和と民主主義の達成は、努力なしでは得られない国民的課題である。