【美ぎスマ】みどり会活動55年/平良地区西原集落
地域文化の発展に活躍
「がんじゅーさー いつばん、つむかぎさまい いつばん(健康、心の豊かさが一番)」-。西原の老人クラブ「みどり会(1962年発足)」は、西原方言の名句を合言葉に55年間活動を続けている。会員は還暦の60歳で入会し、上は99歳までと年齢層が厚い。96人で始まった会員は現在、約400人に増えた。
西原の「おじい、おばあ」たちは、とてもほがらかで元気が良い。「みどり会」の名称は、そんな若々しい姿をイメージしたという。
活動の中でも同期生たちが踊りなどを発表する月例会は、長年の伝統を誇る。5月は寅年の出番となり1950(昭和25)年生まれの仲間安子さんら5人が凛々しく演舞。砂川アイ子さん(78)も優雅に舞い花を添えた。洗練された舞いに、会場は指笛や拍手の嵐となった。
高良雅一みどり会会長(66)は「みどり会は生きがいづくりの場になっている。髪や服をおめかしして参加するのがすごい」と笑顔で話した。
月例会ではみどり会副会長の濱川幸洋さんも「めざせ長寿社会」と題して講話した。
会員らの活動は範囲が広く、第28回県老人の意見発表大会では浜川和子さんが、第33回大会では花城愛子さんがそれぞれ最優秀賞を獲得。第2回ミャークフツカラオケ大会では「西原コーラスゆりの会」が最優秀に輝くなどの実績を残した。公民館と連携した三線や大正琴などのサークルや施設慰問など会員らは毎日パワー全開。みどり会は優れた実績が認められ、県内でも模範クラブとして名声を高めている。
子々孫々まで継続を/御嶽祭祀
ニガインマの確保課題
西原集落のニガインマ(司)たちは年間に約50回、御嶽の神様に豊作や健康、航海安全などを祈る祭祀を行う。西原の祭祀は池間島(本村)の流れをくむ行事。約140年前の村立てのころに始まり、現在まで一度も中断したことがない。その一方で、ニガインマが激減し今後の祭祀存続に向けて、神に仕える女性の確保が課題になっている。
西原の祭祀は儀式の神歌や祈りの言葉に、先祖の思いがそのまま残る貴重な伝統文化。ニガインマの最高位「ウーンマ(大司)」などを務めた山村洋子さん(57)は「神事を1000年後の子々孫々まで伝えてと願う神歌に触れて感動した」と話し、先祖の思いに添うためにも祭祀を受け継いでいく必要性を強調した。
山村さんは2003年にニガインマの仲間入りをした。当時のニガインマは36人。多かったころに130人もいたンマたちは現在、3人に減った。減少の理由に子育てする共働き世帯が増えたことなどを挙げた。
西原字長の渡久山英隆さん(66)は祭祀を存続させるには引退したニガインマに現役復帰をお願いすることも今後は必要になると話した。
現在は橋本克美さんがウーンマを務める。橋本さんは「私を含め3人のニガインマが引退したら祭りは継続できない。そういうことも想定してニガインマを確保する必要がある」と語った。