【花は島いろ】友利 浩さん(70歳)/沖縄大学同窓会会長
アララガマ精神」が人生の支え/旧城辺町下里添出身
【那覇支社】「『アララガマ精神』が人生の支えになっている」と話すのは、沖縄大学同窓会の会長を務める友利浩さん(70)。今年6月3日の総会で会長に選任され、母校の発展と有為な人材育成の環境づくりを目指して忙しい日々を過ごしている。
砂川小・砂川中を卒業し、宮古高校1年まで旧城辺町下里添で育った。砂川中ではバレーボール部の主将として活躍。当時は体育館がなかったため、炎天下の運動場で厳しい練習に耐えることも多く、その時に「アララガマ精神」を徹底的に叩き込まれたという。「その精神が、その後の人生で苦難にぶち当たったときに大きく役立った」と語る。
高校2年から家族と一緒に本島に移り、読谷高校から沖大商経学部経済学科に進学した。卒業後は受験予備校の立ち上げに携わり、350人の生徒を集めて大成功させたところから社会人としての一歩を踏み出した。その後、教科書販売などの仕事を経て、26歳の時に一念発起しスーパーを開店させ独立。15年間で3店舗、年商10億円になるまで成長させた。しかし、身内の海外での事業失敗のあおりを受け、店を手放すことになる。
「厳しい状況の時、兄弟や親戚、友人たちの励ましと協力のおかげで再出発することができた」と振り返る。アララガマ精神を育ててくれた宮古への感謝の気持ちを忘れたことはない。「皆さんには足を向けて寝られません」と、目を潤ませた。現在は、これまでの経験を生かし、あらかき商事の社長として堅実な経営に努め、取引先からの信頼を得ている。
故郷へ恩返しする意味を込め、同窓会事業の一環として離島出身学生への支援強化や奨学金制度の拡大などを目的に「沖大同窓経済同志会」の設立を今秋に予定している。学生たちがさらに学びやすい環境を作ることを目指すという。
「来年は大学創立60周年という節目なので、各支部とも連携し、大学の理念『地域共創・未来共創』を実現させるために精一杯務めたい」と意気込みを語った。
最後に宮古の高校生たちに対して「是非、沖大で学び社会で活躍してほしい」と笑顔で呼び掛けた。