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行雲流水
2017年8月10日(木)9:01

【行雲流水】(クルーズ船客対応策)

 8月7日のテレビ朝日で、砂山ビーチでの中国人観光客締め出し〝事件〟が放映されていた(全国版)。ビーチパラソル利用料金2千円を中国人に限って2万円にしているというもの

▼業者の言い分は「中国人観光客はマナーが悪い。一つのチェアーに5人腰掛けてチェアーを壊す。中国人には貸したくない」。無断でチェアーに座っていた中国人観光客は「はじめて来た。有料だとは知らなかった」

▼たしかに、入り口には利用方法についての説明はあるが、日本語だった。双方の言い分はもっとものように聞こえるが、双方とも配慮が足りない。観光客は傍若無人の振る舞いを慎み、地元は意思の疎通をはかる工夫(外国人向け案内板設置など)が必要だ

▼観光客はいわばお客様。お客様とのトラブルは避けたいものだ。だからといって、人種差別的な高額料金を設定してトラブルを防ぎたいという発想は言語道断。市民の意識が疑われるばかりでなく、外交問題にもなりかねない。地元で努力する方策はいくらでもある

▼幸い、業者は「やりすぎだった」と反省して、2万円の別立て料金を廃止。中国語で「チェアーを壊した場合は4千円の弁償」と書いた看板をつくったとの結末に、ほっとした

▼惜しむらくは、気づくのが遅かったことだ。この〝事件〟は1業者だけの問題ではない。観光ビジネスが質的に変わっていく過渡期を象徴する〝事件〟だ。長期・短期のクルーズ船客対応策を急げ! 役所、観光協会、商工会議所などが連携して検討すべき今夏最大のテーマだ。

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