行雲流水
2017年9月7日(木)9:01
【行雲流水】(「ミャーク式」の限界)
このところ、東京のテレビキー局が宮古島の話題を立て続けに取り上げている。先週の話題も、外国人観光客への〝ミャーク式対処法〟だった。宮古島警察署員がレンタカー業者に対し「中国人・韓国人には車を貸すな」と指導した話題だ
▼中国語・韓国語を話せる警察官がいないので、事故調査に支障をきたしているからだという。砂山ビーチ〝事件〟と同じ構図。まさにミャーク式対処法だ
▼自分の怠慢を他人に転嫁して解決しようとする発想はいかがなものか。正しい解決方法は、警察官の語学能力を高めることではないだろうか
▼警察学校に1カ月の語学研修コースを設け、事故調査に特化した会話中心の特訓を実施すればいい。各署1名の参加を義務付け、1年に3期の中国語、韓国語の研修を行えば、1年で中国語、韓国語それぞれ3人の事故調査専門官が各署に配置できるはずだ。警察本部に要請して、組織的に解決すべきテーマだ
▼システマティックに解決しないで、自己流で対処しようとするから〝ミャーク式〟になる。あるいは本部に要請したが容れられないので、外部を巻き込んで〝事件〟を起こしたというなら言語道断。恥の上塗りだ
▼自己流でその場しのぎをして解決したつもりでいても、禍根は残ったままだ。補助事業などで会計検査院から指摘される事例と同根だ。公務員の〝あるべき姿〟が問われている。あるいは、ミャーク式対処法に慣れている市民の意識も問われているのかもしれない。観光産業は、明朗で公平なイメージの下でしか発展しない。