船長として活躍

川満さん夫妻

　川満栄さんは「若い時から太平洋の真ん中に自分がいる経験をしてみたかった」という。琉球海運に１９５５年入社後、宮古や本土航路船で乗務しながら、一等航海士や船長の資格を取得。７８年に５０００㌧級大型船で、念願だった太平洋航海へ出た。「赤道を通過する時は、『赤道まつり』を船内で盛大に開いた。男のロマンがあって楽しかった」と振り返る。

　長い海上勤務を支え、家庭を守ったのは妻の大世子（たせこ）さん。「妻は漁師の家の生まれなので、男の仕事はそういうもんだと分かっていた。安心して任せられた」と、隣りに座る大世子さんの顔を見つめる。

　退職後は、日本船舶職員養成協会で学科を指導。映画の撮影ロケで西表島に滞在する俳優の故高倉健とも出会った。役柄で船の小型免許が必要で教習合宿に参加していた。「頭の良い人で、すべて満点だった。難しい質問をするので困ったりした」と笑う。

　現在は、住宅隣の畑でゴーヤーやニンジンなどを栽培し、子どもたちに送るのが楽しみ。妻の手料理も満喫している。

　子ども３人、孫６人。

川満　栄さん（８４歳）＝伊良部出身＝１９３３（昭和８）年５月２０日生まれ
　　　大世子さん（７６歳）＝池間出身＝１９４１（昭和１６）年５月１３日生まれ