行雲流水
2017年12月23日(土)8:54
【行雲流水】(天皇誕生日)
12月23日。国民の祝日に関する法律第2条に天皇の誕生日を祝う、と定められた今上天皇のご誕生を祝う日である。今日、天皇・皇后両陛下をはじめ皇太子・皇太子妃、秋篠宮家といった皇族が長和殿にそろい、日の丸の小旗を振る大勢の国民に手を振って応える一般参賀が行われる
▼今年6月皇室典範特例法が公布され今上天皇の生前退位を2019(平成31)年4月30日とするとの皇室会議の決定を踏まえて政府は12月8日の閣議で退位日を定める政令を決定した。天皇が退位し皇位を皇太子徳仁(なるひと)親王が継承されると年号も改められることになり年明けの平成30年は「平成」の節目となる
▼節目の年を目前にして天皇・皇后両陛下の沖縄へのお心を顧みた。1975(昭和50)年日本復帰記念事業として本部町で開催された沖縄国際海洋博覧会に出席するため皇太子明仁親王が美智子妃と共に初めて沖縄の地を踏まれた
▼その頃の沖縄は過激な左翼活動が激しかったため大がかりな警備態勢を敷いたが、事件を防ぐことはできなかった。ひめゆりの壕に潜んでいた過激活動家が花束をささげる皇太子に向かって火炎瓶を投げつける「ひめゆりの塔事件」が勃発したのである
▼そのような事件の後に陛下は次のように琉歌を詠まれている。「花よおしやげゆん人知らぬ魂戦ないらぬ世よ肝に願て」
▼皇后陛下が問いかけられた言葉も宮古島に住む者としては忘れられない。「市の名前は、確かヒララと思いますが、校名はタイラですか、ヒララですか」宮古島の子供たちとの接見の場でおかけになったといわれるお言葉です。両陛下のご慈愛、ご造詣の深さを感じますね。