観光の起爆剤、点火目前
19年3月開業、大型事業が始動
下地島空港旅客ターミナル施設整備事業が昨年10月に着工した。開発者は三菱地所(東京都、吉田淳一社長)。2019年3月にも開業する予定だ。三菱地所は国内外のエアラインと交渉を進めており、中期的には台北、香港、ソウル、中国上海からの定期便就航を計画。国内線は都市圏からLCCを誘致する。トゥリバー地区ではリゾート開発に着手、二つの事業をリンクさせて相乗効果を狙う。
ターミナル施設は鉄筋コンクリート造の地上1階建て。敷地面積は3万1580平方㍍、建物面積は1万3840平方㍍となる。
「空港から、リゾート、はじまる。」をキーコンセプトに掲げており、自然の光や風を取り込む構造でリゾート感を演出する。
開業後は国際線、国内線の両方を呼び込む。担当者によると、国際線の中期目標として当面は台北と香港をターゲットにする。ソウルと上海にも視野を広げていく。国内路線は成田、関空、中部それぞれからの直行便就航を目指す。
トゥリバー地区でのリゾート開発も注目される。宮古本島と伊良部島・下地島は伊良部大橋で連結されており、誘導は容易だ。三菱地所は「相乗効果が大いにある。需要を創出するという意味でのリゾート開発とそれを受け入れる空港ということで密接な相乗効果が得られる」としている。
プライベートジェットの受け入れも前提に施設利用の拡大を図る。「需要は十分ある」(三菱地所)とみて態勢を整える方針だ。
長く懸案だった下地島空港及び残地の利活用計画が動き出した。空港ターミナル開業に伴う一層の観光振興が期待される。三菱地所が目指す開業初年度の誘客数は5・5万人。
昨年の安全祈願祭で三菱地所の谷澤淳一執行役専務は「空港に降りた瞬間から宮古諸島の豊かな自然環境を肌で感じてもらえるような施設にしたい」とコンセプトを強調し、「高度な空港施設を生かし、宮古空港とも連携しながら島全体の発展に寄与したい」と意気込みを語っている。
宮古島市の長濱政治副市長は「下地島空港の旅客ターミナルを起点に、島がますます発展することを期待している。市の観光振興において大きな力を発揮してくれるものと思う」と着工を喜んだ。その上で「市としては、2次交通など受け入れ態勢の課題解消に努めていきたい」と述べた。