行雲流水
2018年1月11日(木)8:54
【行雲流水】(発想法)
今年は戌年(いぬどし)。中国の暦法で、12年を周期とする年の呼称の11番目の年だという。中国では古来、時刻・方位・年を12進法で計算していた。1年の周期が12カ月であるという天体運行と関係があったのかもしれない
▼10進法が大勢を占めている現代でも、昔の名残はある。1時間は60分、1日は24時間だ。英米で使用した数の単位1ダースも、12本だ。数の認識パターンの一つである12進法は、人類のDNAに色濃く残っているのかもしれない
▼インドに端を発した10進法は、12世紀の十字軍遠征で広くヨーロッパにも普及し、近代文明の発達に大きく貢献した。20世紀には2進法によりコンピューターが開発された。電気のスイッチのオンとオフですべての数字を表現できることに気づいたのが始まりだ。ネット社会の発展ぶりをみても、発想の転換が世界を変えてきたといえる
▼身近な世界でも新商品や新システムがあふれ、あらゆる分野で発想の転換が常態化している。発想の転換は、ちょっとした気づきが端緒となるようだ。歌の文句にも「押してだめなら引いてみな」とある
▼年が改まると、身辺にも新しい発想が生まれてきそうな気分になる。昨年と同じ状態を「旧態依然」と呼ぶのであろう。612人の新成人たちのフレッシュな感覚にも大いに期待したい
▼発想の転換で地域経済を活性化する初夢をみたいものだ。夢と現実との間には溝があるのは世の常だが、それでも、〝夢の架け橋〟伊良部大橋は実現した。想像力は、創造力の源泉かもしれない。