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行雲流水
2018年2月22日(木)8:54

【行雲流水】(冬季五輪)

 冬季五輪たけなわだ。フィギュアスケートの羽生結弦選手やスピードスケートの小平奈緒選手の活躍などが多くの国民に感動を与えている。ウインタースポーツとは縁遠い南国にいても、羽生選手のさわやかな演技、小平選手の力強い滑りなどスポーツの持つ躍動感は共有することができる

▼表彰台に立った後の記者会見が、また胸を打つ。共通していた言葉は努力、感謝だった。自分に打ち勝つ努力が報われた喜び、サポートしてくれた周囲の人びとへの感謝の気持ちが素直に伝わってくる

▼若者たちが身につけているフェアプレーの精神もすがすがしくて心が洗われる。「競争には勝て、弱い者いじめをするな、正直であれ」との先達の言葉が思い出され、日本の明日は捨てたものではないとの希望が湧いてくる

▼オリンピックだけではない。将棋の世界でも若駒が誕生した。中学3年生の藤井聡太五段が朝日杯を制し、史上最年少の六段に昇格。中学生初の五段の記録をつくって間もない快挙だ。国民栄誉賞を受賞した永世七冠王羽生棋聖に勝ったのだから、まさに大物少年の出現だ

▼若い人たちの前向きな挑戦をみるにつけ、高齢社会にも明るい日差しが差したような華やいだ心地になる。事件・事故の多い暗い世相にうつむき加減になっていた姿勢がしゃきっと立ち直った感じだ。世の中の将来は、若者たちに託されている。それぞれの分野で前向きに、健やかな挑戦を続けてほしいものだ

▼頂点をめざすのもよし、縁の下の力持ちでもよし。その一生懸命な姿が美しい。

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