【花は島いろ】砂川郁恵さん(40歳)美栄橋郵便局職員
初心忘れず笑顔で対応
砂川さんは郵便局職員ととして6年目を迎える。仕事でのモットーは「初心を忘れずに、笑顔を常に絶やさないこと。たまに笑顔になっていない時もあるらしく、周りから教えてもらったりする」と明るく話す。
平良下里出身。平一小、平良中、宮古高校卒業後、那覇で勉強に励んだ。その後、21歳で米国ワシントン州シアトルの隣町にある短期大学へ留学した。当時はイチローや野茂英雄のほか、佐々木主浩も米大リーグの選手として活躍していたという。
「イチローと野茂投手の対戦試合も見に行った。楽しかった。日本からもファンがツアーを組んで応援に来ていて、盛んに声援を送っていた」と懐かしむ。
学生時代の思い出として「留学仲間たちとコミュニケーションを取るために、週末にはよく飲んだりしていた。その時に宮古のオトーリを教えれば良かったと(今は)思ったりする」と話す。
2年間の留学を終え、沖縄に戻る。那覇市内で会社勤務していた頃、知人から郵便局の職員募集を教えてもらい、日本郵便沖縄支社に採用されて美栄橋郵便局の配属となった。
同郵便局の所在地は、「パレットくもじ」の1階。県庁や那覇市役所などの行政機関や民間企業が立ち並ぶ場所で、観光客や外国客を対象にしたホテルや、レストラン、お土産品店なども軒を連ねている。
職場では郵便窓口の業務を担うが、初めて担当した際には「前の会社ではデスクワークが中心だったので、人と直接触れ合うサービスができなくて悩んだりした」と話す。
そんな心境を勇気づけたのが、沖縄本島在住の宮古出身者たち。砂川さんの職員証を見て、「あんたも宮古ねー」「どこの子どもねー」などと、声を掛けてくれたという。
「宮古の人は、イントネーションや名前を聞いたらすぐに分かる。そういう人たちとの出会いのおかげで、今では世間話もできるぐらいの余裕も持てるようになった」と声を弾ませた。
郵便局には多様な人が訪れるため大変な面もあるといい、「荷物を送りに来た外国のお客様に、その荷物は受け付けられないと話していたら、伝票をビリビリに破り投げつけられたこともある」と神妙に話す。
それでも、「自分自身も海外で困った経験があるので、その時の恩返しとして、できる範囲のことはやっていきたい」と前向きだ。
いつも笑顔の砂川さん。「お客様から差し入れをいただくこともあるが、冗談で『次はお菓子を持ってきて』と言えたりもする。宮古出身だから言えるかもしれない」と明るく語った。