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行雲流水
2018年5月17日(木)8:54

【行雲流水】(観光客と水需要)

 今年の大型連休は、伊良部南地区で起こった断水騒ぎであと味の悪いものとなった。「想定外」の水需要に対応できなかった南地区配水池のトラブルが原因だという。水道当局の大失態だ。空路観光客数が年間100万人を突破する日も近い。受け入れ態勢は大丈夫だろうか

▼年間100万人の観光客は、定住人口に換算すると7400人の人口増に相当する(観光客の平均宿泊数は2・7泊。100万人を乗じると延べ宿泊人数は270万人泊。365日で除して7400人)

▼観光客100万人の水需要は1日約3200㎥だ(宮古島市民の生活用水使用量は1人1日平均427㍑。7400人を乗じると約3200㎥。1㎥は1000㍑)。現在の宮古島市の1日平均配水量は約2万3000㎥。14%の需要増になる

▼供給能力はどうか。浄水場の稼働率は66%だから、浄水場には余裕がある。問題は、川下(かわしも)にあるようだ。21カ所ある配水池のうち、連休や夏休みなど一時的に需要が集中する地区の配水能力強化が必要だ

▼開発計画が目白押しの伊良部南地区は、すでに能力不足を露呈した。市街地化が進む久松地区、海水浴場のある下地や城辺地区などでも同様の事態が生じないかどうか。配水池の容積、ポンプの能力や停電時対応、配水管の口径不足や老朽化など、中長期整備計画があってしかるべきだ

▼「想定力」は日常業務への真摯(しんし)な取り組みの中から生まれる。職業倫理観は健在だと思いたい。(参考資料:宮古島市上下水道部「平成28年度水道事業統計年報」)(柳)

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