行雲流水
2018年6月26日(火)8:54
【行雲流水】(慰霊の日)
6月23日は、沖縄県が条例で定めた「慰霊の日」である。条例は述べる。「我が県が、第二次世界大戦において多くの尊い生命、財産及び文化的遺産を失った冷厳な歴史的事実にかんがみ、これを厳粛に受けとめ、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰めるため、『慰霊の日』を定める」
▼この日、糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われた。また、沖縄各地で慰霊祭がしめやかに行われた
▼慰霊の日の前夜祭には摩文仁の平和公園でロウソクの火で「平和」の文字がともされた。平和の世を築くことこそが、戦没者の慰霊になる。そのためには、沖縄戦の実相と、その後の沖縄のおかれた現実を踏まえることが重要である
▼沖縄戦は、「本土防衛の捨て石」とされ、惨禍は過酷を極めた。戦後、米軍は銃剣とブルドーザーで土地を強制収用、基地をつくった。これは、ハーグ陸戦条約に違反するものである。復帰後は、沖縄に基地を集中するかたちで米軍基地の整理統合がなされた。辺野古基地は普天間と関係なく1966年に計画されている(大田昌秀)
▼米軍基地は米国の世界戦略のための基地である。ベトナム戦争では嘉手納飛行場から連日B52が出撃、多くの人を殺りくした。日本は直接戦争はしなくても米国の戦争に加担してきた
▼翁長雄志県知事は、平和宣言で、基地の重圧からの解放を訴え、日本とアジアのかけ橋として、誇り豊かな沖縄を築く決意を述べた。沖縄の切なる願いである。(空)