【花は島いろ】屋嘉 舞さん(32歳)
「沖縄ハンドメイドとカメラのお店&mano」
経営ママと子の笑顔に全力
【那覇支社】四児の母親にして、那覇市首里でフォトスタジオ兼手作り雑貨店を営むパワフルレディ-は、平良下里出身の屋嘉舞さん(32)。「ママと子供の笑顔のために」をモットーに、仕事に取り組んでいる。
南小、平良中、宮古高校で学び、沖縄国際大学に進学するため本島へ渡った。中学や高校時代は、既製品でなく、祖母が作ってくれた制服を着て登校するのが自慢だったという。
大学では心理学を学び、卒業後は福祉関係の仕事に就いた。24歳の時、大学の同級生で本島出身の翔伍さんと結婚。その後も仕事を続けたが、3人目の出産でフルタイムの仕事は厳しいと考え、29歳でカフェでのアルバイトに切り替えたという。
少しだけできた自分の時間を使い、ベビー用靴下や帽子、髪飾りやメッセージカードなどのハンドメイド雑貨作りを始めた。幼い頃から習ってきた日本習字の腕と、祖母譲りの手先の器用さが役立ったといい、勤めていたカフェの一角で販売して好評を得る。
さらに、「沖縄には自然な子供の写真を撮影するスタジオが少ない。自分でやってみたい」と考えて写真講座を受講。「できる!」と確信し、雑貨販売とカメラマンを生業にしようと決意した。
ただ、自分だけが先走ってはいけないと考えた屋嘉さんは、慎重に事業計画書を作成して夫の翔伍さんに提出。翔伍さんも「彼女は、僕にないものを持っている。やらずに後悔してもらいたくない」と賛同したため、最強の協力者を得た形で新たな道に踏み出した。
資金調達には、インターネットで出資者を募る「クラウドファンディング」を利用した。多くの人たちの共感を得て、60日間で72万円を集めたという。
そして、マンションの一室を借りて父親と一緒にスタジオ兼店舗に改造し、2018年3月、那覇市首里に「沖縄ハンドメイドとカメラのお店&mano」をオープンさせた。
店内は、自分だけでなく、県内外の人が作った可愛い雑貨がズラリと並ぶ。陳列では、子どもが触っても壊れないおもちゃや雑貨を下に、大人向け雑貨は胸以上の高さにするなどの工夫をして好評を得ている。
母親ならではの心遣いとエネルギーにあふれる屋嘉さん。「幼い頃から、祖母の洋裁や父の日曜大工が身近にあり、今の自分の仕事につながっている。家族に感謝です。8月初旬に宮古島に戻って、改めて海の美しさに感動した。宮古でも撮影するカメラマンになりたいですね」と語った。