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行雲流水
2018年9月26日(水)8:54

【行雲流水】(コスタリカの奇跡)

 9月9日、マティダ市民劇場で、ドキュメンタリー映画『コスタリカの奇跡』が実行委員会主催で上映された

▼紛争の絶えなかった中米で、コスタリカは、1948年、常備軍を廃止、軍事予算をゼロにして、無料の教育、国民皆保険を実現、環境保全に力を注いだ。その結果、ニュー・エコノミクス財団による「地球幸福度指数」の世界一に輝いた(2016年)

▼国の安全保障には、条約や国際法、そして国際機関との関係を活用、各国との外交努力を強化して対処した。アメリカの圧力は、「中立宣言」のあることを盾に、かわし、国の主権を守った

▼映画は最初に、元アメリカ大統領アイゼンハワーの演説を紹介する。彼は、「軍産複合体」を批判する有名な演説「鉄の十字架」で、「世界は別の道を選ぶことはできないのだろうか」と問いかけ、「銃を1丁作ることも、軍艦1隻進水することも、ロケット1基の発射も盗みと同じである。飢えて凍える人々を無視して行うからだ」と語る。残念ながら、戦争を覇権やビジネスの手段とする軍事大国は彼が危惧した方向に進んだ。そんな中で、コスタリカは「別の道」を選択したことになる

▼軍隊廃止を宣言したフィゲーレス元大統領は語る。「人にとっても、地球にとっても戦争は病気で、平和が普通である」。アリアス大統領は中米に平和をもたらした功績により1987年、ノーベル平和賞を受賞した

▼「コスタリカの奇跡」に学び、各国が協議、軍拡競争をやめ、平和の構築に努力することが、強く求められる。(空)

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