行雲流水
2018年12月11日(火)8:54
【行雲流水】(宮古高校の九十年)
高校生時代は人生において、最も輝かしい時代である。心身が飛躍的に発達、自然や社会、人間について深く学び、生きていく世界が広がっていく。自我に目覚め、自己の未来についての希望と不安が交錯する。そこに友情が生まれ、人間に対する懐かしさの原点が形成される
▼高校はまた、広い世界へ巣立つための学び舎でもある。高校で身につけたことを基礎に、進学や就職を選択、知識や技術、社会性などの人間力を高め、社会に貢献する
▼そのような大事な年頃の高校生たちを多数育んだ宮古高等学校が創立九十周年を迎え、12月1日、記念式典と祝賀会が挙行された
▼平良智枝子校長は式辞の中で、卒業生は2万7000名余を数え、県内外で活躍している輝かしい歴史を語った。また、国際化、情報化の進展に対応、建学の精神にのっとり、地域の期待に応えて、さらなる発展を期することを誓った
▼思えば昭和3年の開校から90年、過酷な戦争と戦後の生活苦の時代があり、校舎の移転もあった。制度的にも、現宮古高校球場にあった宮古女子高校との合併があり、定時制の併設があった。その間、一貫して、地域の期待と協力があった
▼卒業生にとって学校は故郷そのものである。地元をはじめ、沖縄南秀同窓会や関東南秀同窓会の活動は活発で、同窓の絆を深めている。毎年行われる「卒業50年を祝う会」の冒頭には、母校の吹奏楽部の伴奏に合わせて校歌が斉唱される。「大和島根の水清く/太平山の黎明の彩」。祝創立九十周年。宮古高校に栄光あれ!(空)