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【特集】新年号
2019年1月1日(火)9:00

新年を迎えて

伊志嶺幹夫社長

伊志嶺幹夫社長

 2019年の新年を迎えるにあたり謹んでご挨拶を申し上げます。今年は全国的に歴史に残る大きな動きのある年となりそうですが、宮古圏域も新時代に羽ばたく大きなステップの年と期待されます。

 4月30日に天皇陛下が退位し、皇太子殿下が5月1日に新天皇に即位されます。平成は30年と4カ月で幕を閉じ、新元号に改められ新時代がスタートします。2020年東京オリンピック・パラリンピック開幕まで1年余となり、各種競技の代表選考が夏ごろから始まり東京五輪ムードは一気に高まりそうです。7月には今後の政局を左右する参議院選挙があり、10月にはわれわれの生活に大きな影響を与える消費税が8%から10%に引き上げられます。

 宮古圏域では、長年の懸案事項だった下地島空港が本格的に稼働します。大手企業・三菱地所が「下地島空港旅客ターミナル」を3月30日に供用開始。格安航空会社(LCC)の「ジェットスター・ジャパン」が下地島-成田空港間で定期便を就航、下地島が首都圏と結ばれます。宮古空港以外に空の玄関口が一つ増え、人口5万4000人余の島に2000メートル滑走路と3000メートル滑走路を持つ空港があるのは大きな魅力です。今後、国際線の導入も計画され、台湾、香港、韓国などから観光客が下地島空港に降り立つ姿も見られ、国際色豊かな宮古島となりそうです。

 平良港には今年はクルーズ船が昨年より63回増えて207回寄港する予定です。大型旅客ターミナルの整備も始まり、来年には14万トン級の船が接岸できるバースも供用開始されます。海空からの観光客に対応するため、宮古島や伊良部島には大型ホテルの建設が相次いでいます。海岸沿いにはコンドミニアムタイプのリゾート施設が建ち、入域観光客は年間150万人台に迫ろうとしております。

 このように島外資本の投資は活発ですが、宮古島の自立は農業にかかっています。現在収穫されているサトウキビは、昨年は台風被害もありましたが生産量は30万トンが見込まれています。昨年12月30日に環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)が発効されました。サトウキビや肉用牛生産などに影響が出そうですが、足腰の強い農業経営に一層まい進しなければなりません。

 宮古の農業を変えた地下ダム事業は農業生産高を大幅に向上させました。地下ダムの水で生産された野菜、果樹が本土市場に出荷されており、伊良部島への地下ダムの送水も間近です。

 上野野原の元千代田ゴルフ場跡地には、陸上自衛隊の大規模な宿舎が建設中で3月末には完成します。陸自隊員が駐屯、離島防衛の名目による陸自配備は初めてのことであり、島の新たな動きとして注目されます。

 伊良部地区では、四つの小中学校が一つになる小中一貫校の「結の橋学園」が4月に開校します。学校の統廃合の動きがある中で同学園の運営に注目が集まっています。

 昨年も、県内で宮古の児童、生徒たちの活躍が光りました。県大会で優勝し九州大会へ出場する機会も増え離島の子どもたちが羽ばたいています。昨年月末、島尻と野原集落に伝わる伝統行事のパーントゥがユネスコ無形文化遺産に登録されるという朗報がありました。島の伝統文化を継承する大切さを改めて感じました。

 宮古毎日新聞は読者に支えられ創刊63周年となりました。地域紙として日々の島の動き、県内や県外、世界の動きを報道していきます。今年も宮古毎日新聞のご愛読をよろしくお願いします。

 今年の干支である猪は万病を予防する象徴でもあり、健康第一で力強く歩みたいものです。

2019年 元旦
宮古毎日新聞社
代表取締役社長 伊志嶺 幹夫

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