【花は島いろ】池間 弘章さん(54歳)FC琉球応援団長
夢は「宮古に天然芝の競技場」
【那覇支社】ライブ中継で世界中のサッカーを観戦することができるフットボールカフェ「カンプノウ」を那覇市で営むのは、池間弘章さん(54)。昨年末にJ2へ昇格したFC琉球の応援団長でもある。
池間さんは上野出身で、平一小、平良中へ進んだ。「幼い頃、両親が共働きでおばあちゃんに育てられたおかげで、サトウキビの育て方や生命の尊さ、自然の営みを知らず知らずのうちに学んだ」と語る。
中学1年の時に父親の転勤で那覇市に移り、小禄高校から福岡の大学へ進学。卒業後は、そのまま福岡で会社員として働き、37歳で沖縄本島に戻った。
サッカーに関心を持つようになったのは、1998年・ワールドカップフランス大会のテレビ観戦から。自身はサッカーの経験はないが、日本チームを応援する中でサッカーの魅力を知ったという。
沖縄にJリーグを目指すサッカーチームが発足すると、「沖縄の地元のチームは、沖縄の僕らが応援していかないと!」という強い思いで、自ら先頭に立って応援を始めた。念願のフットボールカフェ「カンプノウ」を開店したのは2003年。今や、サッカーファンの聖地になっている。
昨年、FC琉球がJ2昇格したことについて「さらに多くの人に(チームを)応援してもらえる」と笑顔を見せる池間さん。応援を重ねる中で沖縄のサッカー環境の課題も見えてきたといい、「沖縄のチームなんだから地元選手を育てないといけない。そのためには、子供の頃からの練習環境が大切だ」と語る。
きっかけは、沖縄かりゆしFCの加藤久元監督から「沖縄の子どもたちは、身体能力は抜群なのに土のグラウンドでしかプレーしたことがないので、パスされたボールを必ず止める。芝のピッチ上のような流れるプレーができない」と指摘されたことという。
池間さんは、「子どもたちの環境を整えるのは大人の役目。だから、いつかは宮古に戻って天然芝のサッカー場をつくりたい。天然芝の育て方や自然管理のノウハウはあるし、専門家だっている」と強調する。
2月24日にはJ2が開幕する。今後については「これまで以上に、宮古からプロサッカー選手がたくさん誕生することを夢見て、一歩一歩自分にできることから実行していきたい」と口元を引き締めた。