【花は島いろ】本村健史さん(20歳)/沖縄大学人文学部福祉文化学科3年生
教師目指す島のホープ
【那覇支社】多良間島の次代を担うホープの一人として期待されているのは、字塩川出身の本村健史さん(20)=那覇市。現在、沖縄大学人文学部福祉文化学科で健康スポーツ福祉を専攻する3年生だ。
多良間小・中学校ではバスケット部で活動し、卒業後は県内でスポーツ強豪校といわれる那覇西高校へ進学した。「当時、那覇西に在学中だった姉2人から、学校の特徴や雰囲気などを教えてもらっていた。頼りになる姉たちがいたので、何の不安もなく志望した」と振り返る。
高校では陸上部に入り、主に中長距離走の練習に励んだ。「那覇西は陸上も強く、メンバーも実力者がそろっていた。高いレベルの環境で競い合った結果、800㍍や1500㍍の自己記録を何度も更新して県内記録に近いレベルまでいけた」と話す。
現在は、「子どものころから体を動かすのが好きだった」と、大学で体育教員免許の取得を目指しながら、バスケット部で運動にも汗を流している。
本村さんは、「大学の講義では、スポーツ栄養学やコーチング理論なども学べる。教員になったら、部活の指導も担当してみたい」と将来を見据える。部活動についても「沖大のバスケット部は、県内の大学で一番強いと思う。監督も宮古の人。早くレギュラーになれるよう頑張っている」と積極的だ。
大学近くのアパートに、姉や弟と同居。多良間で肉屋を営む実家から、豚肉や缶詰などが定期的に送られてくる。本村さんは、「肉屋の息子なので、小さい頃から肉類は大好き。食事は、毎日姉が作ってくれる。クラブ活動やバイトでは体を動かすので、肉の入った料理で体力を盛り返している」と、家族への感謝の言葉を述べる。
また、「きょうだい5人のうち3人が同時に大学生なので、親の経済的負担を少しでも減らすため、週4日はコンビニでバイトしている」と親への思いを忘れない。
郷友会活動についても、「同級生は沖縄本島に10人以上いる。多良間郷友会の運動会は9地区対抗で、自分が所属する地区は7連覇中。今後も郷友会の活動には積極的に参加していきたい」と語る。
多良間に帰省することも年に数回あるといい、「島に帰るたびに、どこへ行っても『あんたは那覇で頑張っているね』と声を掛けてくれる。帰省時は、島でゆっくりと時間を過ごして、気持ちを新たに那覇に戻ってこられる」と話す。
その上で、「島の人に、これまでの恩返しをするためにも、教師となって1日でも早く多良間に戻り、島に貢献していきたい」と力を込めた。