行雲流水
2019年7月16日(火)8:57
【行雲流水】(オーロラとマムヤ)
全国公募第54回たぶろう展(たぶろうはフランス語で絵・絵画の意)で最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した西里恵子さんの祝賀会が、7月14日(日)、ホテルアトールエメラルド宮古島で、関係者が集い、盛大に開催された
▼恵子さんは、これまでにも「たぶろう展」で、協会大賞を受賞するなど多くの賞を受賞、たぶろう美術協会審査員も務めた。また、今年2月には「モナコ・日本芸術祭」に出展するなど、国際的にも高く評価されている
▼祝賀会では、祝辞や本人のあいさつと質疑応答などで、本人と絵画に対する理解が深められた。人類は古代から(ラスコー洞窟の壁画など)洞窟に彩色壁画を描いた。また、『星の王子さま』ではキツネに言わせている。「大事なことは心の目で見なくては見えないよ」。「砂漠が美しいのはどこかに井戸を隠しているからだ」。などの作品から引用、描くことの必然性が説明された
▼受賞作品「オーロラとマムヤ」では、織物の名手マムヤの糸が上昇、太陽からの贈り物オーロラに触れている。周辺には地球の歴史を物語る生物や化石が描かれている。それに、自身のいろいろな想いを総合して、一つの壮大な作品世界に昇華させているのだろうか
▼何でもないことにもドッキリする鋭い感性と、宮古の人々がマムヤを絶世の美女にしたてた理由を考えるなど、その広くて深い思想性が作家の根底を支えている
▼今回の受賞は本人の名誉であるばかりでなく、地域社会の芸術文化の振興に与える影響は大きい。受賞を祝福し、一層の活躍を期待したい。(空)