行雲流水
2019年8月6日(火)8:56
【行雲流水】(広島原爆の日)
きょう、8月6日は、広島の原爆の日。広島では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式典」が行われる。広島市長は、平和宣言で、国連で採択された核兵器禁止条約への署名、批准への希望を政府に伝える
▼広島・長崎への原爆投下は凄惨(せいさん)を極めたが、その後も原爆投下の危機は訪れた。朝鮮戦争のとき、マッカーサーは中国への核攻撃を主張したが、トルーマン大統領はこれを拒否、彼を解任した
▼「キューバ危機」の時は、核ミサイル発射寸前の危機があった。その際、沖縄には核兵器が1300発あり、戦争になれば島は破滅したと、予想されている
▼そのような状況下で、1955年、「ラッセル・アインシュタイン宣言」が発表された。この宣言には、湯川秀樹などのノーベル賞受賞者9名が連名で署名した。この宣言を受けて、核廃絶に向けて話しあう「パグウォッシュ会議」が開催され、世界的な核兵器廃絶運動の出発点となった。日本では原水爆禁止協議会が結成され、宮古でも全国各地と呼応して、原水爆廃絶を求める大会とデモ行進が行われた
▼核戦争の危機は今も無くなっていない。米ロの中距離核戦力全廃条約の失効など、核軍縮と逆行する動きがある
▼一方で、2017年、国連で「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成で採択された。核兵器の開発、実験、保有、使用、使用の威嚇などを禁止するものである。しかし、核保有国や日本などは署名をしていない。条約はカ国の批准で成立する。条約が成立して核廃絶への一里塚になることが期待される。(空)