行雲流水
2019年8月15日(木)8:54
【行雲流水】(終戦記念日)
きょうは、終戦記念日でもある。昭和20年8月15日、昭和天皇がラジオを通じ、日本の降伏を国民に伝えたことに由来する。昭和57年の閣議で「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と定め、全国戦没者追悼式が行われるようになった
▼戦没者数は、定義のしかたで異なるが、一般には310万人といわれている。〔厚生労働省の地域別戦没者数(日本本土を除く。平成27年)をみると、フィリピンで51万人、中国47万人、中部太平洋25万人、旧満州25万人、沖縄19万人、ビルマ17万人、東部ニューギニア13万人、ソロモン群島12万人などとなっている〕
▼戦争を体験した世代は、「二度と戦争をしてはならない」との痛切な思いがある。だが戦後生まれ、とりわけ高度経済成長期以降の世代は、戦争体験世代ほどの切実感はないように見受けられる
▼戦場体験や戦時下の空気など〝命の切迫感や不条理の世界〟は、若い世代の皮膚感覚では「実感しにくい」ようだ。平和な世の中が続いているからであろうか。その〝平和〟は、多くの人々の犠牲の上に築かれたということを忘れてはなるまい
▼「平和の礎」に刻銘されている宮古島市出身者は、3285名。戦没者の無念や遺族の苦労を思うとき、〝不戦の誓い〟がよみがえる。ご遺族は何かにつけて「生きていたなら…」との思いに涙したことでしょう
▼きょうは、「お盆」の送り日。戦争に翻弄(ほんろう)されたご先祖様や縁故者をしのび、平和を希求する心を再確認する日でもある。日本を取り巻く世界情勢が平穏無事でありますように。(柳)