【ひと】JAおきなわ理事長/ 普天間 朝重氏(62歳)
「宮古牛のブランド化」推進
【那覇支社】新しく今年6月にJAおきなわ理事長へ就任した普天間朝重氏(62)に対し、宮古毎日新聞は19日までに就任インタビューを行った。
-改めて就任の意気込みを
3月のJA全国大会では、全国のJAが①農業の危機②組織・事業・経営の危機③協同組合の危機-にあると確認された。JAが永続的に存在し続けるための重要な3年間。そのリーダー役を任されたことに、責任の重さを痛感している。
-県農業生産額は、2年連続で1000億円を突破しています
今後は「販売」に力を入れる必要がある。そのため、関西営業所を設置したほか、(農家から一定の値段で買い取る)「買い取り販売」に力を入れている。この方法だと、競りを通さないため価格が上下せず、農家の所得が安定して経営ができるようになる。
-資材価格の低減について
農産物の価格は、輸入品の影響などもあり上がっておらず、資材価格を下げるしかない。財源は、店舗統廃合や拠点施設を作ることなどでもコストを削減して作っていきたい。
-宮古は肉用牛も盛んです
「宮古牛」のブランド化に努めたい。そのためには、肥育農家が出てきてほしい。子牛の値段が下がるまで、肥育農家が育つのは難しいかもしれないが、それまではJAがブランドを高める。(肥育をやってみたい農家には)われわれの肥育センターで働いて、ノウハウを蓄積してもらっても良い。
-サトウキビ生産
今後は、機械化が最大の課題。機械料金をいかに安くするかだ。今、全農は機械の性能を抑えることをやっている。不要な機能は取り、簡単な機能で安い機械にするのは有効だと思う。
-黒糖の在庫について
生産拡大を図る一方で在庫問題が出ると、農家の生産意欲に水を差しかねない。政府も、製造・流通に関する抜本的な解決策を検討するとしている。「上限のない増産」を前提に、「増産をみんなで喜べる農業」にしていく必要がある。
-現行の沖縄振興計画が2021年度末で期限を迎えます
JAとしても、新たな振興計画策定に向けた議論に積極的に参加していく。離島の条件不利性を解消するための運賃助成「流通条件不利性解消事業」や災害に強い施設の導入などは、農業生産拡大に向けて引き続き継続が必要で、行政に働き掛けていく。
-移動購買車「あじま~号」や地域貢献など
高齢化で組合員が買い物に困っているなら「われわれもとことんやります」という典型が、「あじま~号」だ。青壮年部や女性部による食農教育も重要視している。
-宮古地区への思い
宮古の農産物は、量も質も優れている。今後は、「共販」の魅力をJA自体が出していかないといけない。(JA以外の)買い取り業者に負けないような仕組みを、価格だけでなく作っていく必要がある。